楽譜

音名、階名とは何?違いについても分かりやすく解説!

音名と階名の違いが分からない・・・。
音名や階名にはどんな種類があるんだろう?
そもそも音名や階名って何?

このようなお悩みを解決いたします。
楽譜や音源を使って分かりやすく説明しているので、ぜひ最後まで見てください!

この記事の内容

  • 音名と階名の違いについて
  • 音名の種類とそれぞれの名前
  • 階名の説明と具体例の紹介

音の名前には音名と階名の2種類あります。音名と階名は似ているようですが、全く異なるものなので難しく感じる方も多いと思います。

まずは簡単にそれぞれの違いを紹介します!

音名は実際の音の名前、階名はスケール(=音階)における役割の名前です。人で例えるなら、音名が氏名で階名は委員長とか部長みたいな役職名が近いと思います。役職が所属する組織によって変わるように、階名はその音が所属するスケールによって変わります。

それでは、まずは音名から詳しく見ていきましょう!

音名

音名は楽器で鳴らしている音、楽譜に書いている音そのものです。音そのものを表す名前なので、何があっても名前は変わりませんが、同じ音を指す言葉が色々な国で使われたため、名称は複数あります。

ドレミファソラシド

まずやっぱりドレミファソラシドだろうと思ったそこのあなた・・・残念なお知らせですが、ドレミファソラシドは「音名」ではありません・・・。実はドレミファソラシドは後述する「階名」なのです。

しかし、現実にはドレミファソラシドを音名のように使っている人も多くいます。このようなドレミを音名として用いる方法は「固定ド」と呼ばれています。そのため今から音の呼び方を無理して変える必要は全くないと思います。

私はずっと固定ドで音楽に親しんできたので、このサイトでの解説は基本的に固定ドでさせてもらいます。正統な方法ではありませんが、私の周りに音名をドレミ以外で呼んでいる人がほぼいないので、敢えて正しい音名にこだわる方がよっぽど分かりにくいと考えています。

ちなみに、ドレミファソラシドはイタリア語由来の言葉です。

CDEFGABC(英語)

英語の音名(ドレミファソラシド)

※音量注意

英語式の音名です。コードのルートを判断するのにも用いられるので、コードを覚えるには必須です!Cがドなことと、音は7つだからGの次はAになることだけ覚えていれば、あとはアルファベットをひとつずつ数えるだけなので覚えるのは簡単だと思います!

個人的にはコードのCと音名のCの表記が同じで混乱するため音名として用いることはあまりありません。

アルファベットの後ろにシャープやフラットを付けることで半音の違いを表すことができます。(例:A♯ = ラ♯、B♭ = シ♭)

なお、このあと紹介する2つの音名は名前が異なるだけで同じ音を指しています。

CDEFGAHC(ドイツ語)

ドイツ語の音名(CDEFGAHC)

ドイツ式の音名です。アルファベットとほとんど変わりませんが、まず読み方が違います。順番に、ツェー、デー、エー、エフ、ゲー、アー、ハーと読みます。

そしてお気づきの通りBがHになっております。Bはどこに行ってしまったのかというと、Hより半音低いシ♭の位置にちゃんといます。読み方はベーです。

吹奏楽やクラシックでよく用いられています。

アルファベットの後ろに is をつけると半音高く、es をつけると半音低い音になります。(例:Cis = ド♯、Des = レ♭) 

シ♭のみBであることにお気を付けください!

ハニホヘトイロハ(日本語)

日本語の音名(ハニホヘトイロハ)

最後に日本式です。小学生の頃はなんでハから始めてんだと思っていましたが、Cが三番目のアルファベットであることを考慮してイロハニホヘトの三番目から始めているところのセンスがいいなと今は思っています。

使われる場面は限定的で、一般的にはクラシックの「フーガ ト短調」のような曲名や、ト音記号、ヘ音記号のような言葉として残っているだけなのではないでしょうか。

半音高いのは「嬰」、低いのは「変」と表します。(例:嬰へ = ファ♯、変ト = ソ♭)

階名

階名はその調における役割に名前をつけたものです。皆さん音楽の授業の発声練習でこんなものを聞いたことがありませんか?

※音量注意

だんだん音が高くなっていきますが、全部「ドレミファソファミレドー」と同じ音のかたまりに聞こえると思います。この同じ音のかたまりに名前を付けたものが階名です。その音がスケールの中で与えられた役割に名前を付けています。カラオケでキーを変えて、違う高さだけど同じ曲に聞こえるのと似ています。

以下はFメジャースケールとGメジャースケールの「ドレミファソラシド」です。

Fメジャースケールの楽譜と階名、音名
Gメジャースケールの楽譜と階名、音名

このように、実際に鳴っている音(音名)は違うけど、階名を使えば同じ形のメロディであることが分かります。

音名は絶対的な高さを指し、階名はメジャースケールの主音からの相対的な高さを表すという点で異なります。
(Fメジャースケールの主音はF、Gメジャースケールの主音はG)

上述したように本来ドレミファソラシドはこの階名を表すためにある言葉です。先ほどの固定ドに対し、階名を「移動ド」と呼びます。こんな呼び方があることも、音名にドレミを用いる層が一定数いることを裏付けていますね。

階名の勉強をするときは、普段音名にドレミをもちいている人は「ドなのにソ?ファ?」となり混乱する部分ですが、私は階名の勉強でしか混乱したことないので今だけだと思ってください笑

ディグリーネームを知っている方はディグリーネームのローマ数字と同じ仕組みだと思ってもらえれば分かりやすいでしょう。実際に数字を階名に用いることもあるそうです。

もはや音名をドレミにして階名を数字にした方が便利なのでは・・・?と思ったらフランスやイタリアではこの方式のようですね!

ぜひ階名には改名してもらいたいところです()

音名にドレミを使わない方がよい人

私が吹奏楽部に所属していたとき、優秀な後輩が楽譜に変なドレミを書き込んでいたので「間違ってるよね?」と尋ねたら「楽譜に書いている音と鳴らした音が違って気持ち悪い」と悩んでいることを告げられました。

吹奏楽で用いられる楽器は楽器によって調が異なるため、楽譜の書き方も変わるのです。彼女はピアノが凄く上手だったので、おそらく絶対音感があり、ピアノの楽譜とクラリネットの楽譜の書いてある音符は一緒なのに、違う音が鳴って困っていたのです。

後輩のクラリネットの楽譜と階名、間違った音名(B♭メジャースケール)

※音量注意

後輩はそれで仕方なく音名として異なるドレミを書いていたのです。

いや、でもやっぱりなんか変じゃない?と思って、これについて二人で先生に相談しにいったところ、「後輩は固定ドなんだね、音名で書けば間違ってないから音名で書いたらいいよ」とアドバイスをもらいました。

クラリネットの楽譜と階名、音名(B♭メジャースケール)

(吹奏楽ではドイツ語の音名が用いられることが多いですが、英語の音名で表記しています。)

この書き方なら正しい音名を書いているのでいいとのことでした。当時の私にはよく分かりませんでしたが、彼女は音名をドレミで覚えている上に絶対音感があったため、階名でドレミを書くことが受け入れられなかったということです。

したがって、は絶対音感のある人はドレミを音名で覚えるべきでない人です!

逆に絶対音感がなければ全く困らないと思います。そもそも私は彼女が何に困ってたかすら理解できていなかったのですから。

まとめ

ポイント

  • 音名は英語、ドイツ語、日本語の3種類ある。
  • 階名はドレミファソラシドを用いる。
  • 音名にドレミファソラシドを借用しても大丈夫。
  • 絶対音感の人は気を付けて!

以上です!いかがだったでしょうか。一般的な記事よりも細かく初心者でも分かりやすいように書いたつもりなので伝わってくれると何より嬉しいです。

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